キリンの名前の由来は?リアル「麒麟がくる」を体験した中国の皇帝がいた

歴史・伝承
ラビまる
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キリンは、中国の伝説上の生き物「麒麟」に似ていることから名がついたそう。
そのいわれを辿ると、舞台はなんと600年前のアフリカにまで飛躍します。


熱心なファンも多い「NHK大河ドラマ」シリーズ。
2020年は、第59作となる「麒麟(きりん)がくる」が放送されている。

私は普段あまりドラマを見ないのだが、このタイトルを最初に見たときはなぜかすごく心惹かれた。

それまでは「真田丸」とか「西郷どん」とか、わりとストレートで題材が想像しやすいものが多かったのに、急に「麒麟がくる」とは。

意味深だし、インパクトがあっていいなあ。

ちなみにこの記事では、ドラマ「麒麟がくる」について深く考察したりはしない。
ただ「きりん」で思い出したことをつらつらと書いていきます。

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麒麟ってなんなのか

中国神話には、伝説上の生き物として「麒麟(きりん)」なる霊獣がいる。

言い伝えによると、

・鹿っぽい外見で、体長は5メートル以上ある
・龍の顔、牛の尻尾、馬の蹄(ひずめ)をもつ
・身体には黄色いたてがみと、鱗(うろこ)がある

といった感じ。

おなじみキリンビールのラベルに描かれているのがその麒麟である。

サラリーマンには見慣れたデザイン。

麒麟はすごく神聖な生き物で、平和な世を治める有能な王様のもとに姿を現すと言われているらしい。

なおNHK大河ドラマの「麒麟がくる」とは、この麒麟のこと。
戦国の舞台で、平和の象徴「麒麟」とは何を指すのか?
面白い主題である。

キリンと麒麟

大体「きりん」というと、パッと最初に思い浮かぶのは首の長い動物のキリンだ 。

実は、動物のキリンが中国神話の麒麟と同じ名前で呼ばれるのは偶然ではない。

キリンとは、その姿の特徴があの伝説の麒麟に似ているところから付けられた呼び名なのである。

麒麟の特徴をおさらいしてみると、たしかにキリンっぽいかな、と思うところもある。

・鹿っぽい外見で、体長は5メートル以上ある
・龍の顔、牛の尻尾、馬の蹄(ひずめ)をもつ
・身体には黄色いたてがみと、鱗(うろこ)がある

キリンに鱗はないけどね。


うーん。

たしかにシルエットは近い気がするが、キリンを見ても「麒麟とそっくりだな!」とはなかなか思わない。

とにかくキリンは首の存在感がありすぎる。

こんなに微妙なのに、いったい誰が「似ている」などと言いだしたのだろうか。

実は、最初にこれを言ったのは今からおよそ600年前の中国、明(みん)の時代を生きた男だった。

衝撃!キリンの発見

15世紀初頭、明の皇帝である永楽帝(えいらくてい)に使えた役人で、鄭和(ていわ)という男がいた。

永楽帝は自分の目玉プロジェクトのひとつとして大規模な海外遠征にチカラを入れており、中国本土から南西方向に次々と船を走らせ、かなりの範囲の国々に対して影響力を強めたのだが、その遠征事業のチームリーダーを任されていたのが鄭和だった。

鄭和の航海ルート(南京発)

鄭和の航海はなんとアフリカ大陸にまで及ぶ大冒険だった。

事件が起きたのは、その旅路の西端であるマリンディ(今のケニアのあたり)にたどり着いたときのこと。

ふと草原に目をやると、異常に首の長い巨大な未確認生物(キリン)がのそのそと歩いているのである。
鄭和はさぞ驚いたに違いない。

だがその姿をまじまじと見ていると、ふとあの伝説の霊獣「麒麟」の言い伝えが頭をよぎった。

・鹿っぽい外見で、体長は5メートル以上ある
・龍の顔、牛の尻尾、馬の蹄(ひずめ)をもつ
・身体には黄色いたてがみと、鱗(うろこ)がある

たしかに骨格は鹿っぽいし、高さも5メートルくらいあるんじゃないか。
龍みたいに首が長いし、牛の尻尾、馬の蹄がある。たてがみもあるし全身黄色いな。

試しに現地民にこの生物の名前を聞いてみると、「geri(ゲリ)だよ」と答えたので、

「ほらやっぱり!麒麟はこんなところにいたのか!」と鄭和は大喜びだった。
(ソマリ語の”geri”と中国語の”麒麟”の発音がなかなか近いものだったらしい。)

こうしてテンションの上がった鄭和は、キリンをお土産として主君の永楽帝へ献上すべく、乗ってきた船の甲板に穴をあけてそこにキリンの首を通し、はるばる中国本土まで輸送したのだった。

そして明でこの知らせを聞いた永楽帝もまた、「麒麟がくる!」と  首を長くして  待ちわびたとかそうでないとか。

キリンを引き連れる鄭和。
犬の散歩感覚である。

キリン献上に見える下心

鄭和がわざわざキリンを連れて帰って献上したのは、きっと永楽帝にこういうことを伝えたかったのだろうと言われている。

「有能な王が素晴らしい政治を行う世にのみ姿を現すというあの麒麟を、私の遠征にて、ついに見つけて参りました。永楽帝さまの敏腕には日頃より感服していましたが、優れた政治のもとに麒麟が現れるとの伝説はホントだったんですねえ。」

という、つまり主君に対するおべっか、ヨイショである。

鄭和のけなげな努力の甲斐あって、永楽帝は大変これを喜び、献上されたキリンをとにかく可愛がったという。

ただ、鄭和や永楽帝が本気でこのキリンを伝説の生物だと信じていたかというと、そうではない気がする。

「こいつ特徴だけ書き出したら、ほぼ麒麟と一緒ですよね」
なんて言いながら笑っていたのかもしれない。

当時のことは、今となっては想像するしかない。

ともあれ、私たち日本人が今日キリンをキリンと呼ぶのは、この鄭和と永楽帝のエピソードが後世まで伝わったからこそなのである。

鄭和の大冒険に敬意を!

ちなみに、いま中国語ではキリンのことを「長頸鹿(首の長い鹿、の意)」というらしい。
(そこは麒麟じゃないんかい。)

□キリンの名前は、中国神話の生物「麒麟」に似ていることが由来となっている。
・明の官人である鄭和(ていわ)がアフリカでキリンを発見したエピソードが事の発端

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