リキュールの女王「シャルトリューズ」は、謎多き秘伝の霊薬

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ラビまる
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シャルトリューズは世界中で親しまれているハーブ酒ですが、レシピを知る者は世界でたった2~3人しかいないと言われています。
不老不死の秘薬として生み出されたそのお酒は、いまなお神秘のベールに包まれているのです。


フランスを代表するリキュールで、「シャルトリューズ」というお酒がある。

ブランデーをベースになんと約130種類ものハーブが漬け込まれており、「リキュールの女王」と呼ばれるほどの人気の高い銘柄だ。

女王というだけあって味は非常に華やかで、
「うーん、いろんなエキスが濃縮されていそうだなあ」
と感じる味わいである。

ボタニカルな香りが苦手な人にはちょっとはまらないかもしれないが、好きであれば大変おいしく頂けると思う。

そういう意味ではどちらかというと女性にオススメできるのかな。

ただし、アルコール度数は結構高い。
(大きく2種類あるうちの、ジョーヌ(黄色)が40度、ヴェール(緑色)は55度ある。)

ところで、シャルトリューズはおいしいだけでなく、その製造に関するエピソードも面白い。

秘伝のレシピで古くから伝わる、由緒正しき銘柄なのである。

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シャルトリューズの誕生

シャルトリューズはもともと、霊薬(エリクサー)として生み出された飲料だった。

エリクサーとは、「飲めば不老不死になれる」という霊的なチカラを秘めた薬のことをいう。

なんだかフィクションやゲームの世界でしか聞き慣れないワードだが、かつてヨーロッパを中心に錬金術が活気づいていた時代には、実際にエリクサー開発の試みが盛んにされていたのだ。

当時は神秘的な色を帯びた「薬」という位置づけだったので、エリクサーの製法はもっぱら修道院(キリスト教の修道士たちが共同生活する施設)に伝えられていくようになり、その宗教的な性格を強めていったのだった。

シャルトリューズはというと、「カルトジオ会」という歴史あるカトリック一派の修道院に代々伝えられている。

そのカルトジオ会の総本山こそ、「グランド・シャルトルーズ修道院」
シャルトリューズの名はここから来ているんですね。

孤高の修道院「グランド・シャルトルーズ」

山奥に佇むグランド・シャルトルーズ修道院
<出典:wikipedia (by Floriel) >

グランド・シャルトルーズ修道院は、フランス南東部のアルプス山脈の一角にそびえる。

西暦1084年に建設されてから今に至るまで、俗世から切り離された山奥で 900年以上もの間ひっそりと佇んでいるのである。

そして現在もなお、ここで約30人ほどの修道士たちが厳格な戒律にもとづく生活を送っているのだという。

日々のスケジュールの大半を占めるのは、とにかく「祈り」。そして「瞑想」
きっと私たちが暮らす社会とは対極にある、静寂に包まれた毎日だ。

この修道院は外界からのアクセスも制限しているため、実際の修道士たちの生活場面に触れることは長らく不可能だったのだが、最近になってグランド・シャルトルーズ修道院を取り上げた貴重なドキュメンタリー映画が公開されたようだ。

映画『大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院』予告編
映画『大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院』

リキュールの女王と称されるシャルトルーズも、かつてここの修道士たちによって黙々作られていたのだと思うと、感慨深いものがある。

ちなみに現在は、シャルトリューズの製造部門はすでに修道院から町の蒸留所へと移転している。

調合レシピは今も門外不出

シャルトリューズの蒸留所は、山のふもとの「ボワロン(Voiron)」という町にある。

ここで数十名ほどの修道士たちが、日々せっせと酒を仕込んでいるという。

その中でも、味の決め手となる各種ハーブの調合レシピについては、選ばれたわずか2~3人の修道士しか知らないらしいのである。

つまり、不謹慎だがもし彼らに同時に万が一のことがあった場合は、シャルトリューズのあの複雑な味わいを私たちは二度と経験することができなくなるというわけだ。
(シャルトリューズの売上を大黒柱としている「カルトジオ会」にとっても大打撃だと思われる。)

これだけ極秘に守られてきたレシピによって、今日も小さな町からシャルトリューズが世界に向けて出荷されており、それをアジアの極東に住む小市民の私たちが自宅で飲むことができるのだから、なんとなく不思議な感覚である。

ピリっとスパイシーでハーブの香りが高い、シャルトリューズ・ヴェール(緑色)
ハチミツのトロっとした感じとまろやかな甘味が楽しめるシャルトリューズ・ジョーヌ(黄色)

このどちらも、意外とお手頃な価格で流通している。

シャルトリューズのレシピは世界で2~3人しか知らない秘密。

そのレシピを大切に伝えてきたグランド・シャルトルーズ修道院の日常もまた、謎に包まれている。

これらの謎に思いを馳せながら、彼ら修道士のように静かにゆっくりと、シャルトリューズを味わってみてはいかがでしょう。

リキュールの女王「シャルトリューズ」は、フランス修道院で門外不出のレシピとして伝えられてきた霊薬(エリクサー)である
・その修道院では今も人知れず厳格な規律のもと共同生活が営まれている
シャルトルーズのレシピは、世界でたった2~3人の修道士しかいない

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